日本ICF協会について

代表挨拶

 ICFの成り立ちを歴史的に振り返ってみると、人間社会の大きな変革の中で、ICFは「できない・制限されている」という状態に対して「プラスの視点で向き合うこと」、「ポジティブに改善していくこと」を提唱したものでした。今も私たちの社会は、世界的な感染症の拡大や加速する高齢化などによって、大きな変容を余儀なくされています。社会のいたるところにおいて「できない・制限されている」を実感している今だからこそ、「できない」から「できること」を探して創り出すというICFの考え方は、私たちの将来に向けて素晴らしい可能性を秘めていると言えます。

 往年の世界的大女優のエビソードとして、“Nothing is impossible. The word itself says I’m possible !“(不可能なんて何一つないわ。不可能という言葉自体に、「可能」という文字が入っているじゃない!)というシャレたジョークがあります。この「I’m possible」は、現在は、「国際パラリンピック委員会」の公認教材としても用いられ、「できない」と思われたところに「新たな目の向けどころ」という一つのアポストロフィを打つことで、「できる」という世界の模索につながるという、まさに「ICF」そのものであると思います。あたり前に助け合い、励ましあい、慰めあい、相手を尊重するという土台があって、その上に「プラスの視点」という目の向けどころを持つことができたら、私たちは次世代に向けて、よりよい社会を繋いでいくことができるのではないでしょうか。当協会の活動が、若い世代や子ども達が身近なものとしてICFに接し、身近にICFを学べる、そんな社会づくりの一助になれることを願っております。

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及川 惠美子(おいかわ えみこ)

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長野県北佐久郡(現在の佐久市)出身。1974年、厚生省人口問題研究所入所。47年に及ぶ厚生労働省での公務員生活が始まる。1999年、本省の大臣官房統計情報部に異動。翌、2000年、疾病傷害死因分類調査室(ICD室)へ異動。以後、21年間一貫してWHOの国際分類に係る協力事業(ICD-11改訂、ICF普及活動等)に従事。2016年、国際分類分析官として定年退職を迎え、以降、65歳まで国際生活機能分類分析官として、再任用。2021年3月末、再任用終了とともに退官。同年4月、ICD-11改訂に伴うICF普及活動のベースとして日本ICF協会を立ち上げ、代表理事に就任。

目的と事業(定款より)

目的

 国際生活機能分類「ICF」を始めとして、国際疾病分類「ICD」、医療行為分類「ICHI」(以下これらを総称して「ICF等」という。)について、世界保健機関「WHO」及びWHO国際統計分類協力センターが行う活動に協力、貢献するとともに、これら統計分類の理念、概念、知識の普及と統計ツールとしての研究、開発並びに学術的知見の集約の場の提供を行い、もって国内における活用の指針の作成、管理に寄与することを目的とする。

 

前条の目的を達成するため、次の事業を行う。