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及川 惠美子(おいかわ えみこ)

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長野県北佐久郡(現在の佐久市)出身。1974年、厚生省人口問題研究所入所。47年に及ぶ厚生労働省での公務員生活が始まる。1999年、本省の大臣官房統計情報部に異動。翌、2000年、疾病傷害死因分類調査室(ICD室)へ異動。以後、21年間一貫してWHOの国際分類に係る協力事業(ICD-11改訂、ICF普及活動等)に従事。2016年、国際分類分析官として定年退職を迎え、以降、65歳まで国際生活機能分類分析官として、再任用。2021年3月末、再任用終了とともに退官。同年4月、ICD-11改訂に伴うICF普及活動のベースとして日本ICF協会を立ち上げ、代表理事に就任。

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 現在、私たちの社会は世界的な感染症の拡大や加速する高齢化などによって、大きな変容を余儀なくされています。

 社会のいたるところで、「できない・制限されている」と言う状態を実感しています。

 ICFの成り立ちを歴史的に振り返ってみると、人間社会の大きな変革の中で、ICFは 「できない・制限されている」状態に対して、「プラスの視点で向き合うこと」、「ポジティブに改善していくこと」を提唱してきました。

その『 「できない」から「できること」を探して創り出す 』という考え方は、まさに今の社会に求められているものだと言えます。

 往年の世界的大女優の、あるインタビューでのエビソードとして、

    

     “Nothing is impossible. The word itself says I’m possible !“

   (不可能なんて何一つないわ。不可能という言葉自体に、「可能」という文字が入っているじゃない!)


という、ちょっとシャレた一言があります。

 この「I’m possible」は、現在は、「国際パラリンピック委員会」の公認教材として用いられています。

 「できない」 と思われるころに、「新たな目の向けどころ」 という一つの 「アポストロフィ」 を打つことで 「できる」 という世界の模索が始まる…。まさにICFそのものを表している一言だと思います。

 あたり前に助け合い、励ましあい、慰めあい、相手を尊重するということが、ともすれば希薄になりがちな現代社会。 

しかし、そこを土台として踏み固めつつ、その上に ICF による「プラスの視点」という「新たな目の向けどころ」を持つことができたら、私たちは次世代に向けて、可能性を秘めた社会を繋いでいくことができるのではないでしょうか。

 当協会の活動が、「ICFが若い世代や子ども達の身近に、いつもある」、そんな社会へ向けての一助となれることを願っております。  


▶ 目的と事業(定款より)

目的

 国際生活機能分類「ICF」を始めとして、国際疾病分類「ICD」、医療行為分類「ICHI」(以下これらを総称して「ICF等」という。)について、世界保健機関「WHO」及びWHO国際統計分類協力センターが行う活動に協力、貢献するとともに、これら統計分類の理念、概念、知識の普及と統計ツールとしての研究、開発並びに学術的知見の集約の場の提供を行い、もって国内における活用の指針の作成、管理に寄与することを目的とする。

 

前条の目的を達成するため、次の事業を行う。