横浜薬科大学『薬学概論』の特別講義

<2023年6月19日>

毎年依頼を受けて実施している横浜薬科大学での特別講演を行いました。

科目:「薬学概論」

学生:1学年(漢方・健康・臨床各薬学科)317名

タイトル:薬学とICF

講義概要:

1.薬学について

・薬学の発展と時代背景

・現代社会で求められる役割

2.ICF(国際生活機能分類)について

・ICFの成り立ち

・ICFの概要

 入学間もない1年生の学生さん達に、薬学の歴史的な流れから、物から人の健康を考えるという薬学の変遷と、その中で、「人が生きることの全体像を捉える」というICFとの「親和性」をお話しました。

 正直、質・量ともにかなりのボリュームで、果たして皆さんにどこまで受け止めていただけるだろうかと不安でしたが、なかなかどうして、しっかり向き合ってくださっていたなと言うのが率直な印象です。

 「Z世代」真っ只中といえる方々だと思いますが、社会問題への関心が高く、「自分の価値観」といった視点をしっかり持っているなぁと実感しました。

 マイナスの中にプラスを見出す、そんな「ICF」のマインドセットで、これからも、スペシャリストを目指して頑張っていただきたいと思います。

<講義アンケート結果一部抜粋>

薬学は、現代までの様々な出来事を通して発展してきたこと、現代では、「薬物を専門とする学問」から「ヒトの健康を考える学問」へと変化してきたこと、薬剤師自身も患者の方など相手と向き合っていくことが大切なんだということがわかりました。そのために患者さんの視点から物事を見ることやチーム医療で様々な方とコミュニケーションを取っていく必要があるとわかりました。また、ICFの考え方の中でもチームで支える他職種連携が大切だと思いました。

私はこの講義を受けて、将来どんな薬剤師になりたいかを考えるきっかけになった。今の社会で求められている薬剤師になるためにはただ薬の勉強だけをすれば良いのではなく、ICFの概念を理解し、取り込み、ファーマシューティカルケアの考え方に基づき、患者さんの心と健康に寄り添ったケアができるようにならないといけないと思う。そのために、私はこれから人を思いやったコミュニケーションをするよう意識していきたい。

講義を通して、今の薬剤師には、より患者さんの心と健康に寄り添った考え方が重要になってきてることを知り、相手に対してわかりやすく伝えるコミュニケーションスキルを身につける必要があると感じました。今の薬剤師の考え方の元となった考え方が昔の時代にできていたことに驚き、今の自分たちの時代でより良いものを考え、それを後の時代の人たちに伝えていくことも大事だと思いました。

薬学の専門知識が様々なところで生かされていることを知り、色々な形で社会に貢献できることに感動しました。薬学部を卒業して病院や地域の薬局に就くことだけが本質ではなく、国家試験合格後にはさまざまな職種に溢れていることを知ることができたので、とても貴重な経験をしたと思いました。

また今回の講義を聞いて、今一度自分が本当に薬学生としてふさわしい行動が取れているのかを考える機会を、増やしていこうと思いました。

ICFという言葉は知っていましたが、どのような意味でどのような時に使われているかは知りませんでした。ですが、今回の講義で、ICFは医療系の仕事につく私たちには必ず考えなければいけないことなのだと思いました。個々にあう生活機能モデルを考えることは現在の医療にとても大切なことであり、それを考えることは『生きることの全体像』について考えることと同じになるのではないのかと思いました。

今回の講義では、「薬剤師とはなにか?」について改めてよく考えさせられた。薬剤師は、多種多様な社会貢献の仕方がある職業であるため、本質を見失いやすいのではないとかと思う。しかし、今回初めて知ったICFは、「医療と社会」の観点から「薬剤師の本質」を見極めるのに非常に大切なものだと学んだ。

元厚生労働省・国際情報分類管理室・国際生活機能分類分析官と聞いて、私はとても堅苦しそうで、遠い存在のような印象を漠然と抱きました。ですが、話を伺ううちにその印象は全くの的外れであることに気がつきました。ICFに関わる仕事は、常に環境と人々のつながりを考え、より良い社会を目指していく、いわば幅広く市民に寄り添うものだったのです。この考え方は薬剤師にとっても同じで、薬学を突き詰めるだけの職業ではなく、薬学を人の健康に寄り添い、活用することを通して、患者さんや地域住民と双方向のコミュニケーションをとることが重要であることを再認識できました。

薬学の歴史について学ぶことで、当時の人々に求められていた薬の効能や薬剤師の需要を知る事ができました。近年になるにつれて、公衆衛生や医療に対する意識が高まり、ワクチンや治療薬の開発が進み、日々医療が進歩していくことを実感しました。現代の薬剤師は、「チーム医療」を構成する重大な一員としての意識と患者に惻隠の心を持って、接していくことが大切だと思いました。ICFは人がどのような環境や健康状態で生きているかを知ることが出来るので、医療現場で情報のやり取りが円滑になり、とても良いことだと思いました。